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2. まとめ

3年前の発表の時に週五日制の主旨をふまえた部活動のあり方として本県では4つの提言をしております。その4つを今回では再検討してみたいと思います。

 

(1) 各学校は月曜日から金曜日までの指導を再考し、充実させるとともに生涯スポーツの足がかりとする。
これは部活動が中学校教育にとっても大切なものであるという問1の結果からもわかるように大変急がれる問題なのですが、残念ながら平日の部活動の指導時間が減少する傾向を示しております。その原因としては、指導者個人の問題が多かったのですが、そういう中でも、ある学校では週一日は部活動指導の曜日を決めて、その日を設けて放課後は会議、その他の行事はなしにして、全員で部活動を指導しようという試みをしようとしている所もありますし、部活動に出られなくなったときに練習にっしとうで1人ひとりの理解や意志を伝えようとしておられるところもあります。
まだ、十分とはいえず、これから更に公務が忙しくなると思われますので、これからも月曜日から金曜日までの活動の工夫が急がれるところです。

 

(2) 休業日に施設設備を解放し、地域特色をいかしたスポーツ活動を実施し、教員は地域の指導者として指導にあたる。
施設解放の再生としては整っております。社会体育でも、成人のバレーボールであるとか、バトミントン等で体育館を使っておられる方もたくさんありますが、中学校生徒が参加するような部活なりスポーツ組織がまだ十分機能をしているとはいえません。
また、教員も自分の地域の指導者としての活動というのは十分できていない状態です。

 

(3) 各競技団体としての連携を密にし、競技ごとの講習会、練習会などを通して競技力の向上に努める。休業日を利用しての協会主催の試合や、練習会、これは調査結果の通りかなりの割合で増えておりまして、これからも、もちろん参加数は増えていくと考えられます。
本県での陸上競技の専門委員では、部活動の顧問が中心になって協会に働きかけて規模の大きい講習会や練習会の運営をしていったり、また同じ陸上競技で県の教育委員会主催の小学生対象の陸上教室も開かれております。同様の企画が中学生対象にも行われるようになれば色々な生徒の二一ズに応え、意欲の向上にもつながると期待されているところです。

 

(4) 指導者不足の解消と専門的指導者の充実を目指し、外部指導者の導入を積極的にはかる。外部指導者との協力体制をつくっている地域もあります。県内、現在30名ぐらいの外部指導者がいっているという状況ですが、平日の4時から6時前後という時間帯に定期的に指導をお願いできる人材は、そう多くなくて、まだまだ外部指導者の導入がうまく進んでいないのが実状です。
最後になりましたが、完全週五日制の過渡期である現在、私達、部活動の指導者はさまざまな問題をかかえております。今回のアンケートでも社会体育への移行を望む声が大きかったのですが地域スポーツ組織が未発達な現状を考えるとまだまだ問題が多く残されております。
部活動の教育的機能の重要性を再認識してこれから進んでいく多忙化の中で指導法の工夫、部活動を活性化出来る学校体制の確立とう今後の部活動が更に発展する方向に向けての各学校、各指導者の工夫なり努力が更に求められる。アンケート結果が出たということができると思います。

 

 

 

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